香港へ行った人から必ず聞くのが、竹の足場で高層建築を造っているということ。
まさかとは思っていましたが、現代でも色々な建築現場で竹の足場を見かけました。
まだまだスチール製の足場はメジャーではない様子。
僕はこの竹で造る足場を見た印象はとても良かった。
それは、近代的とは言えないかもしれないが、竹の成長はとても早く、弾力性もあり、軽い。
その上、いずれは土に戻るので環境にも優しい。
日本の文化は環境に配慮していると、先月TANADAピースギャラリーでおこなわれた”有職故実”でも話されていましたが、竹の足場も同様です。
つまり、古くから伝わる様々な物事は自然を使っていたので、結果的に環境に優しい事は必然的なのです。
環境に対峙する事を意識すると言うより、環境の中で如何に暮らすかが課題だった訳ですから、ごく自然な事。
近代都市や暮らしがそういった、これまでの自然に対する考え方と、真逆に進んでしまった事がそもそもの間違いだったのでしょう。
確かに、構造的な体力が工業製品と違い均一ではないと言えばその懸念はあるのですが、ほとんどの竹は均一な断面をしており、大きなバラツキが無いんじゃないかと感じました。
更に興味深いのは、竹を縛っているビニール製の紐には企画がある様で、どの現場も同様の製品が使われていました。
つまり、竹の足場を使う事自体が遅れている訳ではなく、香港の建設文化は、独自の進化を歩んだ末に辿り着いたのでは無いかと思います。
この様な超高層ビルの上階部分だけを竹足場で覆って工事をする等、日本では考えられない。
それでも、竹足場で工事される様子を見るのは、この都市ならではの風景として魅力あることではないかと感じています。
昨日書いた香港トラムと同様、様々な事柄(安全性・快適性・デザイン性)に対して過度に行き過ぎている日本に比べて、ある分野において非常にプリミティブでバランスの良いところが残っている。
そう感じています。
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