知人に誘われ始めて行きました両国国技館です。
この日は土佐ノ海関の断髪式でした。
特に相撲ファンではないのですが、神事の一環としておこなわれて来た文化行事でもある相撲は、機会があれば是非とも見てみたいと思っていた所だったので、お誘いがあった時には二つ返事で参加表明していました。
いつもテレビなどで見る両国国技館は、全体が把握できる建物ですが、実際に前を歩くと全貌が分からない建築です。
屋根勾配が実に上手く設計されており、いつも見る独特の存在感は消されており、全体的なボリューム感を感じません。
屋根は勾配の角度ひとつで、大きく建築の印象を変える事が分かる事例です。
チケットも大変古風で面白い。
デザイン自体は近代でしょうが、現代的ではなく、遥か昔に存在した様なデザインでもない。
そんな新しくも無く、古くも無い。
どこかで更新することが無くなった状態は、まさに日本の伝統文化を反映していると感じました。
始めて座る枡席ですが、これもなかなか古風です。
決して座り易い訳ではありませんが、庶民がゆっくりとお弁当を食べながら、相撲を観戦するシーンは見ていて微笑ましい。
野球場やサッカー場で見るシートタイプのスタジアムではない、この一種独特な形式が、人と人との距離感を縮めていると感じました。
こんな嬉しそうな人々が集える建築を設計してみたい。
そんな事を考えさせられます。
断髪式は300名を超える来客者によりおこなわれていました。
中には有名スポーツ選手や、政治家、芸能人などの顔ぶれもありました。
土佐ノ海関は40歳だそうで、1994年3月場所、幕下付出で初土俵入りしたとの事。
つまり今から18年前という事になります。
僕が15歳の頃なので、今は他界した祖父母がテレビで大相撲中継を見ていた頃から出ていた力士です。
恐らく、祖父母が見ていたお陰で土佐ノ海関を知っていたという事が分かりました。
現役生活18年は非常に短いと感じますが、僕の人生に照らし合わせると、祖父母と繋がる人物だった訳です。
そう考えると、少なからず親近感が湧いてきます。
そして、建築家人生はつくづく長いもんだと感じます。
嬉しい様な、悲しい様な。
僕の建築家人生はまだまだ始まったばかり。
GENETO
山中コ~ジ
/////// GENETO JOB OFFER ///////
GENETO京都事務所ではインターン及びオープンデスクを募集しています。
業務内容など詳しくは以下よりアクセスください。
GENETO is offering interns and opendesk.
Please contact to the following link.
You can find more information.
GENETO JOB←
