ザ・カントリークラブへは、日頃お世話になっている会社のK社長に連れて行ってもらう機会があり、今回で2度目です。
このコースはとてもバンカーが多い事で有名です。
コースの設計はロバート・トレント・ジョーンズJrで1995年に開場されました。
グランドの起伏と合わせてくり抜かれた様に開口するバンカーは非常に美しいです。
実際にコースを回り、ボールがバンカーに入った時の失望感もあるのですが、緑の芝生が広がる中、絵の具で白く塗られた様に有機的な形状を持つバンカーです。
また、INコースもOUTコースも、最終ホールは池に沿っており、池とバンカーに挟まれた緊張感とコントラストも印象的です。
僕の様なレベルではフェアウェイばかりを通る事は難しく、無駄に叩く難所のコースです。
写真を見て分かる様に、如何にこのコースが起伏に富んでいるかが分かります。
これぐらいの起伏を歩くと分かるのですが、非常に心地よい体験が出来ます。
歩きながら、この感覚をいつかどこかの建築で実現したいと考えてしまいます。
ゴルフコースは何処も同じ事が言えますが、自然であり人工的でもあります。
その中間にある曖昧な体験が、身体性を最も感じさせてくれる空間でもあります。
広く抜けのある場所からドッグレッグの様な独特のシークエンスがある場所、高低差のある場所や林の様な木々に覆われた場所、ゴルフ場と同規模で建築の設計をおこなう事はあり得なくとも、空間を構成する為の多くの要素がばらまかれた状態を体験すると、思考状で建築とシンクロする箇所が多く、実体験として学び考えさせられる事が多いものです。
ちなみに、クラブハウスはホテルの様なしっかりとしたインテリアをしていますが、建築全体の重厚感を感じる事はできません。
コース自体が巨大なスケール感と、緑豊かな空間だけに、クラブハウスを安直に設計すると、バランスがとれない状況をおこしてしまいます。
自然と対峙する強度を持つ建築とするのか、自然に馴染む建築とするのか、この2つを判断する事から僕なら設計して行きたい。
そんな事を、今回も感じさせられました。
GENETO
山中コ~ジ