ストックホルムに到着し、最初に向かった先はStockholm Furniture Fair 2014の会場です。
初めて訪れた会場ですが、非常に大きな見本市会場でした。
エントランスホ-ルには、毎年一名選ばれたデザイナーによる作品が展示されるそうで、今年はイタリア人デザイナーのGamFratesiによるモビール。
カルダーのオマージュを連想させるモビールですが、巨大なスチールフレームにより作られていたため動きが悪い。
僕達もhattori × genetoというアートユニットでモビールを作っているので、モビールの動くメカニズムについて随分と検討を重ねた経験から、このモビールのクオリティがどのような物かはよく分かる。
Stockholm Furniture Fair 2014は様々カテゴリーのブースに分かれているのですが、我々pivotoチームが出品したのは、Greenhouseという選抜された若手デザイナーに用意されたブースです。
ちなみに、Stockholm Furniture Fair 2014は日本のデザイナーズウイーク等とは違い、家具や建築業界の関係者しか基本的には立ち入れません。(最終日のみ一般入場が許可される)
来場者と出展者はリアルにビジネスのやり取りをおこなう機会なのです。
これが日本やアジアのデザインイベントとは違うところで、出品する事に意味があるのではなく、売れなければ意味が無いというスタンスです。
したがいまして、来客も日本のイベントの様に来場者何万人とかいう子供だましではなく、比較的限られた人数でゆっくりとコミュニケーションを取ることができます。
まさに量より質な訳です。
今回pivotoに用意されたブースは、中央にあるカフェから真正面の最もベストな位置でした。
発表したのはpivotoにとって2作品目となるキャビネット” cloud block ”でした。
1作品目は昨年11月に個人のクライアントの為に作ったY邸キャビネットです。
同時にデザイン開発を進めており、まさに兄弟の様な2つのキャビネットです。
これまで数多くの家具をデザインしてきたpivotoですが、単体のキャビネットをデザインすることはありませんでした。
なぜなら、椅子のデザインはスタイリッシュな物であったり、機能的な物であったりと、デザインコンテクストは比較的多く、形にして行き易い物です。
それに反し、キャビネットは”収納”という非常に機能的なコンテクストから入るため、デザイン性は通常求められない、部屋の中では主役が椅子であるのに対し、常に脇役の様な存在です。
そこに、敢えて我々は向き合ったのが、Y邸キャビネットとcloud blockという一連のプロジェクトでした。
様々な知人も来てくれました。
写真の人物はデンマークの建築家 Julien De Smedt(JDS Architects)で、僕は会うことができなかったのですが、山下麻子を尋ねてブースまで来てくれました。
彼もMakers With Agendasという家具ブランドを持っており、別の会場で家具を発表していました。
他にも連日色々な友人や知人、我々と関係を持とうとした家具メーカーがブースを訪れてくれました。
最終日に皆で記念撮影
Karinは山下麻子が留学時の担当の教員、Kristofferは我々をレクチャーとワークショップに招いてくれたNyckelviksskolanの教員、 EmmaはKristofferのアシスタント。
pivotoにとってはストックホルムでおこなう大きなプロジェクトはStockholm Furniture Fair 2014の終了で一段落です。
これに向けて、半年以上準備を重ねてきた事を思うと、家具のデザイン/開発と言えど、非常に時間と経費のかかるプロジェクトです。
今回発表したcloud blockは、日本の家具ブランドIDEEとの関係や、ストックホルムで関係を持つ事となったメーカーとの交渉に入って行きます。
今後が非常に楽しみなプロジェクトです。
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山中コ~ジ
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