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和歌山県串本市の現場へ by 山中コ〜ジ

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$GENETO-古座川 GENETO

昨年10月以来2度目となるHGS-VILLAのサイトを訪れました。
古座駅は無人駅なのですが、京都駅から新宮駅までを結ぶ”くろしお”という特急の停車駅です。
片道で4時間はかかる遠い場所ですが、京都から実はひとつの路線で繋がっているのだと思うと感慨深いです。
何故だか同じ近畿なのに東京よりも距離を感じてしまっている。

GENETO-古座川 GENETO

駅に着いてから車でしばらく走ります。
運転はクライアント。彼女のお陰で僕達は和歌山県にプロジェクトを持つ機会を得た訳です。
聞くところによると、彼女が和歌山県を出て最初に暮らしたのが京都だったらしい。
縁ある京都の建築家を探していたという訳です。

GENETO-古座川 GENETO

現場に着くと様々な関係者が集まってきました。
この地域では工務店という存在は無いらしく、全てが分業で現場が行われているらしい。
その為、各工事毎に担当する職人さんに対し説明をする必要性があります。

”工務店が無い”という事は初めての経験です。
工務店が施工請負をしないと言う事は、メリットとデメリットが勿論発生することは想定できます。
それでも、現場で色々なお話を大工さんや鉄工職人さんに説明すると、笑顔で色々と話してくれ、とても親しみ深い人達です。
更には、古座川役場の建設課に勤めておられ、クライアントの従兄弟にあたる大家敏治氏が我々と職人さんの間に入ってくださり、分かり易く説明くださったおかげで、何とか説明を無事終えることができました。

GENETO-古座川 GENETO

現場で直に色々な説明を行う。
やはり現場へ行くと色々な情報を得ることができます。

GENETO-古座川 GENETO

朝8時に事務所を出発し、14時から打ち合わせを始め、終わったのは18時。
これから京都への帰路につこうとした時、クライアントのお母様から素麺と山桃をいただきました。
山桃を食べるのは初めての経験ですが、甘酸っぱくて疲れを癒してくれます。
自然の恵みは本当に美味しい。そう実感できる古座川です。

GENETO-古座川 GENETO

帰りの電車ではビールを片手にプロジェクトについて色々な思いを巡らせます。
僕達が今回取り組むプロジェクトは、非常に近代的な建築であるものの、作り手は非常に非近代的であったりします。
彼ら独自のルールで現場が進められていく訳で、設計事務所として関わるにはなかなかハードルは高いはず。
その状況は日本が近代化を迎え、これまで現場の全権を持っていた無二の存在である大工さんから、設計者という存在が入って来た当時とよく似た状況だといえます。
当時は今よりも実例が少なく、情報量も少ないのでかなり難易度が高い現場となったはずです。
今回の現場ではタイムスリップした気分でこの現場に挑むべきであると考えだしました。

同じ近畿でありながら、建築文化ひとつとっても大きく変わるローカリティが存在する事への興味は深まるばかりです。





GENETO
山中コ~ジ







$GENETO-山本晃久

GENETOが参画している京都のアートイベント” AS2 (アートを肴に酒を飲む)”では7月20日に#15 AS2 Summer 山本晃久 魔鏡展を開催します。
会場はGENETOがリノベーションに関わったHUB KYOTOです。
京都らしい空間と、京都の職人でしか作れない魔鏡を是非とも御堪能ください。

詳しくはコチラ

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